2005

1/1
前へ
/26ページ
次へ

2005

 二重人格という病に冒された達哉は、時には達哉になり時には隆博となる。隆博は暴力的だが、達哉はおっとりとした性格。瞳はその2人の男を好きになっていく。  隆博は瞳の部屋に入った。  隆博はプリクラを見つけた。  17のときにつきあっていたクラスメイトの俊哉とのツーショット。  隆博は暴れだした。 「俺以外の男とつきあっていやがったな!?」 「殴らないで!?」 「殴られる前に捨てろ!」  プリクラをビリビリにして捨てた。  達哉はマーケットプレイス銀行で働きはじめた。 顧客にとってベストな金融商品を提供するための場を提供し、そのための顧客確認インフラと特化型企業の金融商品群を繋ぐAPIを提供するのが仕事だ。基本サービスを資金管理に限定して、銀行口座、クレジットカード、電子ウォレットなどを提供する。  取引中に隆博になってしまった。 「おい!ステマはまずいよ」  ステルスマーケティングのことだが隆博は知らない。 「ステ魔?俺は何にも捨ててねーよ!」 「ステマですよ、先輩知らないんですか?」  後輩のトオルに指摘されてカチンときた。 「誰も教えてくれなんて頼んでねーよ!」  隆博はトオルの胸ぐらを掴んだ。 「すっ、すみません!」 「ところでおまえ、童貞は捨てたのか?」 「しっ、仕事中になっ、何てこと聞くんですか!?」 「殴られてーのか!?」  客や支店長は唖然としている。 「いつだ?俺は17だ」と、支店長は自慢気にいった。 「早いですね?」  客のオバさんが言った。 「長塚さんはいつですか?」 「女性に対して何てこと聞くの!?セクハラ!」 「吐かねーと、ババァ殴るぞ!」  隆博はキッとオバさんを睨みつけた。 「これ!宗田、お客様の前でなんてこと!」  宗田達哉が豹変するようになったのは酒田に会ってからだ。彼は魔力で帯びていた。 「うるせー!だまれぇぇぇっ!」 「分かったわよ!言えばいいんでしょ?まだ捨ててないわ」 「マジですか!?」  支店長は苦笑してる。 「なーに笑ってんの!?」 「で、トオル……捨てたのか?」 「昨日、卒業しました」 「そりゃあおめでとう!」  支店長はトオルを子供みたいに可愛がっていた。 「卒業式しようか?」  隆博から達哉に戻った。  達哉は灰野って男に呪われていた。  何としてでも殺さないと。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加