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画伯はモチ像を持ち上げて、いつのまにかダンベルで筋トレを始めていたダブルニャーセブンに振り返った。
「もっとよく見てくれ! 今日はわたあめちゃんの誕生日なんだ!」
家のダンベルを勝手に使っているダブルニャーセブンに、画伯は笑顔で近寄る。だが、それが間違いだった。
ダブルニャーセブンが両前脚で持ったダンベルごと、画伯の方へ振り返った。
グシャャャア!!!
「あれっ、画伯? ここまで気配を消して来るとはお見事ニャり」
強烈な衝撃が、モチ像を襲った。
「……っあああああああーーーー!!」
ハラハラと抜ける毛髪。あまりのショックに変身が解け、残ったのは最近薄毛を気にするようになった赤ふんどし男……。
「おぅ……わ、ワシのモチ……モッ、モッチ……モッチッチー……オゥ……オモチィ……」
涙と鼻水を垂れ流して咽び泣くクソ汚ねぇ画伯と、潰れモチ塊。そのあまりの汚、いや痛々しい姿に、ダブルニャーセブンは無意識に後ずさった。
「ま、まぁ、元気を出すニャ。また作れば良いニャ」
「もう無理だ。変身も解けてしまって、赤ふんどしも消えてしまった」
「早くパンツを履けニャ」
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