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ぷきぷぎと泣きながら帰るチャーコのおちりを眺め、清水画伯は乱暴に頭を掻いた。
「参ったなぁ。こりゃチャーコにもわたあめちゃんにも悪りい事をした」
数分前までは可愛らしかった押し花が、画伯が握りつぶしたせいで一瞬で無残な姿に変わってしまった。
わたあめ姫の誕生日は今日だ。今日中にコレを直して、なおかつ gorgeous & marvelous に施さなければいけない。
清水画伯は考えた。
ヒラリとジャンプし着地と同時に胡座をかく。
ペロリと両指に唾をつけ、頭にグリグリと塗りつける。
これをやると不思議なことに、アイデアが生まれる音がするのだ!
ポクポクポクポク……
チーン!
「が! は! くー!!」
「はぁーーい!」
読者の視線を気にしながら、画伯はペァァと顔の横で手を広げてみせた。
ペロンチョと可愛らしくベロを出し、40過ぎたオッさんが思いつく限りの可愛らしさの演出に頑張った。
その顔には、漢の貫禄さえ感じる。はずだ。
「……画伯、すまぬニャ、そろそろもう一度声をかけていいかニャ?」
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