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起死回生
「ちわーっす。作業手伝いにきましたー」
その日も山本は数名で傘への着色作業をしていた。そこへ突然数名の男子生徒がやって来て、声を掛けてきた。
振り返ると、いかにもチャラチャラした連中がドア付近にたむろしていた。
「えーっと…何ですか?」
応対した山本は一体なにが起きたのか、すぐには呑み込めなかった。
「だから、作業を手伝いにきました。
人手不足なんでしょ?この傘アートっての」
チャラチャラした男たちの先頭にいた金髪でロン髪の男が教室を見まわしながら言った。やぶれたジーンズに付けている鎖がジャラジャラ鳴った。
「この前チラシをもらって、別に手伝う気なんかなかったんすけど、坂田さんに一言言われて…」
坂田?…って、あの副実行委員長の坂田龍太郎か!
山本はやっと気づき、ひとまずその団体様を実行委員室へと案内した。
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