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缶コーヒーを飲み終わり、ゴミ箱に空き缶を捨てた。ガランという乾いた音がした。
公園を出た山本は、行く当てもなくぶらりと本屋に立ち寄った。
特に読みたい本もないので、店頭にある雑誌を手に取って眺めた。
男性のファッション誌だ。
モデルの男たちが品の良い服を着て、恰好つけてポーズをとっている。
なんとさわやかなのだろう。
パラパラとページをめくるも、ただ眺めるだけで、これといって心惹かれる記事はなく山本は15分ほどで本屋を後にした。
することがないので仕方なく帰ろうと電車のホームへ向かう。
いつもの駅員といつもの電車。何も変わり映えのしない一日。
いつものように改札をくぐり、ホーム内にあるベンチに腰掛けた。
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