人集め

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 鶴元は笑顔で山本の顔を見て、最後にそう言い、右手でガッツポーズを作って見せた。  夕日に照らされた鶴元の顔はきらきらして見え、いつもよりも美しかった。  もうひと頑張りか…。 山本に少しずつ元気が戻っていった。  くよくよしたってもう戻れない。だったら、突き進むしかない。人員不足だって、その分、みんなで力を合わせて、1.5倍…いや1.1倍ずつ頑張れば、きっと乗り越えられる。そう自分に言い聞かせた。 「そうだね…。もうひと頑張り。  ありがとう、鶴元さん」  山本も笑顔で答えた。  夕日は静かに遠くの空へと沈み、辺りは薄暗くなりつつあった。町の明かりがちらほらと灯され、時間はゆっくりと流れていった。
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