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実行委員室では鶴元がデザイン班のメンバーと配置について打ち合わせをしていた。
山本は鶴元に声を掛けて、手伝いに来てくれたチャラ男たちを紹介した。
「こちらは実行委員長の鶴元さん。今回のお別れコンパの総責任者。
ところで、この作業、けっこう汚れたりするし、だいぶ夜遅くなるんだけど…それでも大丈夫?」
山本は心配しながら尋ねた。
来たはいいが、数日で辞められては困る。だって見るからにすぐに根をあげそうな連中だ。
「大丈夫、大丈夫!
俺たち塗装のバイトとかもやったことあるし、そういった作業なら任せてくださいよ!
でも、鶴元さんってすっげーきれいっすね。彼氏とかいるんすか?」
チャラ男たちは作業の内容云々よりも、鶴元の方が気になるらしい。
とりあえず、人手不足には変わりないので、鶴元の許可を得て作業を手伝ってもらうことにした。
「あと、コレ。坂田さんから持って行けって…」
後ろの方にいた男数人が廊下から持ってきたのは傘だった。ざっと60本はあるだろう。
坂田はどこで何をしているかは不明だが、ちゃんと約束は守った。
傘に加えて、足りなかった人員まで補充してくれて…。改めて坂田の能力には驚かされる。
「では早速、お願いします」
鶴元は着色班のリーダー中岡に後を頼み、自分は打ち合わせに戻ろうとした。
すると廊下でまた声を掛けられた。
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