傘集め

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 繁華街に着いた彼らは一番近い百貨店に足を運んだ。  インフォメーションで理由を話すと、受付のお嬢さんはすぐに係の人を呼んでくれた。係の中年男性に事情を話すと、その男性は学生証を確認した後、山本たちを地下室へと案内した。  どうやら従業員専用のブースのようだ。少し薄暗い通路を抜け、地下倉庫の扉を開けると無数の傘が無造作に置かれていた。そこには、客が忘れていった傘が累積されていた。 「好きなだけどうぞ」  係の男性は言った。  山本と鶴元は使えそうな傘を選別し、それを手分けして持つと、係の男性にお礼を言って百貨店を後にした。
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