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【R18】子リスの全ては獅子のもの(ディーン)
ディーン・ミラード、十八歳。
帝国騎士団第一師団所属の彼は、今年で入団三年目となる。
入団当初は一六六センチ前後と小柄で、周囲の隊員と比較しても細くひ弱だったが、現在は一七五センチとそこそこの長身となった。それに見合う筋力もしっかりとつき、ゴツくはないが美丈夫と呼ばれる部類にはいる。
金に近い茶の髪を少し長い肩のラインで切り揃え、普段は首の後ろで一括りにしている。大きく明るい青い瞳にも、自信の輝きが宿っている。
入団一年目を少し過ぎたくらいではしょっちゅう「抱きたい」と口説かれていたが、今では「抱かれたい」と口説かれるようになった。
それほど、少年から青年へと美しく羽化を始めたのだ。
それでも彼の目にはたった一人しか映っていない。身長だって伸びたが、あの人は一九〇センチ近い長身でまだ十センチ以上の開きがある。筋力なんて足元にも及ばない。
強くなった。それは周囲も認めてくれている。けれど目標はそれよりも早く先に行ってしまう。追いついたと思っても気づいたら更に先。
もどかしくて、でも諦める気はない。いつかあの背中を掴まえる。それを目標にしている。
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