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溜息が出る。それを見たエリオットが「お茶にしませんか?」と誘ってくれる。
業務中という気持ちも多少はあるが、最近は穏やかなものだ。それに、気持ちを切り替えるのにはいいかもしれない。
提案に乗り、ソファーでお茶を飲み始める。飴色の液体は口に馴染み、美味しい焼き菓子も好みだった。
「何か、深刻な悩みですか?」
「え?」
「いえ。リカルド先生が悩むような事となると、私が力になれるか分からないのですが。でも、聞くだけならできますよ?」
遠慮がちだが、はっきりとものは伝える。こういう能力に欠けている自分を思い、ふとまた嫌いになってしまう。それでもいいと、チェスターは言ってくれるのだが明らかに支障がある。
ここは、胸を借りるべきだろうか。赤裸々な悩みでもあるのだが、エリオットもまた恋人を持つ身なのだから。
「あの……とてもプライベートな悩みなのですが、よろしいでしょうか?」
「はい、どうぞ」
「実は、恋人らしきものができたのですが」
「恋人! らしき?」
妙な言い回しに驚いたり首を傾げたり。エリオットはやや困惑気味にしている。分からないでもない。リカルドだって今の状況を「恋人」と表していいか迷う所なのだ。一番しっくりくる表記が「恋人(仮)」だろうか。
「あの、いつですか?」
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