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「誰がそんなことを。人を機械みたいに……」
からかうグスタフに、ミズキはぷうっと頬を膨らませた。
「両目マスターアイとかマンガの読み過ぎだよ。僕はグスタフがいなくちゃ、何にも出来ないんだから」
「ははは、言えてる。お前、末っ子って感じするもんな。兄弟は何人だ?」
「いないよ。僕はひとり」
グスタフが意外だと言いたげに目を丸くした。
「一人っ子か。どおりでのんびりしてるのか。そんなのでよく親が軍に入るのを許したな」
「グスタフはどうして軍人になったの?」
「俺はケンカばっかりしてたからな。そんなにケンカが好きなら、軍で思い切り暴れて来いって放り込まれたんだ」
「グスタフ、暴れん坊だったの?」
「おう!」
グスタフはそう言うと、ぐっと親指を立てた。
「言っとくけど、俺、強えぞ」
「そうなんだ」
「まあな。ただ俺は、軍に入ってからもずっと勝てない相手がいる」
「グスタフでも勝てない相手がいるの? 教官?」
「違う」
グスタフはそう言うと肩をすくめた。
「母ちゃんと姉貴。ガチで殴りにいっても、あの二人にはどうしても勝てないんだ。軍事教練とかすげえがんばって、身体を鍛えたのに、俺は未だに投げ飛ばされる。女は半端ねえぞ。ミズキも気をつけろ」
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