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一夜明けて
高台の駐車場
一台の車が停まっている
昨夜遅く
女性が一人降りて来た
彼女はしばらく瞬く夜景を眺めてた
それから空に輝く満月に何かを呟く
そして、微笑みながら
涙で濡れた頬のまま
深い闇夜に消えて行った
朝陽が辺りを明るく照らす
森の高台は木々が夜露に濡れて煌めいていた
静寂を切り裂くように突然響いた
犬の鳴き声
男性の悲鳴
彼女の想いを知っているのは
闇夜に輝く、あの満月だけになった
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