第一章 夢の世界で

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  ■■■  ――私は眠り続ける。  眠り続けているから、私はここを動くことが出来ない。  その代わり、私は夢を見ることが出来る。  しかし、ただの一度も同じ夢を見たことが無い。  ――たった今、私はとても楽しい夢を見た。とても、とても楽しい夢を。  まるで幻想の世界に紛れ込んだかのような、素敵な夢を。  見渡す限り美しい自然が。  綺麗な花に、良い匂いが。  そして隣には一人の殿方が――名はリオと言ったっけ。  あの方は今まで夢の中で出会った方とは違った。私に魅了されなかった。  今まで出会った方は私に魅了されて、私のことばかりの言っていたけど、あの方は私よりも自然のことを優先していた。  だから、あの方だけは違う――またお話したいと思ってしまう。  ……でも、それは叶わぬ夢だってことは分かっている。  だって、夢は一度きりのものなのですから。  同じ夢を見ることは叶わないのですから。  でも……もし、可能であれば。許されるのであれば。  もう一度、あのお方とお話をしたい……またあの世界で歩いてみたい。
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