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第一章 夢の世界で
――眠り続けて、果たしてどれぐらい時が経ったのでしょうか。
起きようと思っても自分の身体が言うことを聞かない。
起きようと思っても眠りから覚めることはない。
でも、眠っていてもこうして自分の意識はある。
終わらない眠り……まるで地獄のよう、けれど。
私はこうして――“夢”を見る。
いつもいつも違う夢だけど……その夢を見ている限り。
私は――退屈しない。
三つ前の夢は、何処かの国のお城の中だった。
そこで晩餐会のように賑やかな場所で、とても真面目そうな殿方と躍った。
二つ前の夢は、何処かの国の村だった。
そこで動物達の世話をしながら、とても調子の良い殿方と語り合った。
一つ前の夢は、何処かの国の家庭だった。
そこで年老いた男性と静かに過ごしながら、星空を眺めていた。
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