第一章 夢の世界で

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 それらの夢の場所は、果たしてこの世界なのか――それは分からない。  もしかしたらこの世界ではないのかもしれない。  だとしたら、それはとても興味深い夢でしょう。  けれど――一つとして、同じ夢はない。  幾つもの夢を見ていたけれど。  幾星霜、眠り続けているけれど。  一つとして、同じ夢を見たことは無かった。  だから、私はそれがとても悲しい……  もう一度、あの方と踊りたくとも。  楽しく語り合ったあの続きを話したくとも。  あの星空が一体どのように変化をするのかを。  その続きを見られないのは……とても悲しい。  だけどそれが夢なのだから。  夢を見続けることを命じられた、私の運命なのだから。  私はこれに従い続けなければいけないのでしょう。  ――さあ、今日は。  どんな夢を見ましょうか?
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