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一見。
戦場の痕を徘徊する少女のように見えるが、その身のこなしには無駄が無く、
まるで体重が無いのではないかという気さえしてくる。
辺りに人影が無いわけではない。ただ彼らは、戦災で荒んだ者たちに、何時襲われるとも
限らない。だから警戒し、生きている。
そんな気を張っている者にも気づかれず、少女は行動していた。
分かっていることは「何かを探している」そんな動きだ。
「確か情報ではこの辺りなのだが・・・・・・」
小さな声で囁いた。
「仕方が無い、一番高い場所で[あたり]をつけるか」
と上を向いた少し前方に
女の全裸死体がぶる下がっていたが、気にせず通り過ぎる。
蝿がたかっている死体の首には[ナチの情婦]と、書かれていた。
いつもの、解放軍が来た時の日常だ。
「きゃあああああっ」
「やめてっやめてくださいっ」
少女の右隣の壁越しに女の悲鳴が聞こえてきた。
壁の崩れた穴から、そこで何が行われているのかが見えた。
一瞥した彼女は[そんなことに興味なし。]といった感じで、その場を去ろうとする。
壁の向こうでは、一人の兵士がズボンを下ろし、女の子を後ろから羽交い絞めにしていた。
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