ユーゲント アールヴ「放浪任務編1」

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背中を押さえていた左手を外し、彼女の金髪をわし掴みにして、頭を壁に叩きつけた。 「ぎゃひっ」「ぎひっ」「ぎやっ」ゴツゴツゴツと鈍い音がする。 興奮した兵士は、口の端が耳元まで裂けた下品な笑みを浮べた 「この街のためにさー」 ゴツ!ゴツ! 「どれだけの俺の仲間が他人のためにさー」 ゴツ!ゴツ!ゴツッ! 「犠牲になってさー死んだと思ってんだよー」 ゴツ!ゴツ!ゴシャ! ぐったりした女の子の頭から鮮血が壁に伝わり、流れ落ちる。 「クソッ」 「クソッ」 「なかなか入りゃしねえ!」 兵士の腰が前に行った分、女の子の腰が悲鳴を上げる。 兵士はイラついた。 「入りゃこの先はパラダイスなのによぉ―――っ」 「ぺっぺっ」 と唾を出そうとしたが、焦って出ない 「このクソガキッぬるぬるが足りねぇよ」 「ぬるぬるがよぉー・・・・・・!?」 また耳元まで口が裂けた嫌な笑みを浮べた。 「そうだぁーお前の血をもらうぜ!」 わざわざ、塞がりかけた頭の傷を、ゴリゴリと広げた。 「あがぁあああああああっ」 汚い指で、傷口をほじくった。 新しい、熱い血が噴出す。 「あ―――っ」 「あ――――――っ」 女の子は痛がり吠えた。 兵士の右手の親指、人差し指、中指に血を塗り付けた。 そしてそれを愛おしく、自分のモノに塗りたくり、女の子の下の口には     
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