ユーゲント アールヴ「放浪任務編1」

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殺伐とした廃墟の中を二つの影が移動している。 女の子は目的地に向かって移動すればいいが、少女は違った。 人と出くわさないよう、時に物陰に隠れ、会うタイミングを外し、どうしょうもない場合は その者の気を逸らした。(あの兵士に使った技である) 少女は先行している女の子の、時たま見せる仕草が気になった。 瓦礫を乗り越える時に、お尻とスカートを押さえた。 女の子は、あの兵士に下着を引き千切られたので、パンツを穿いてなかった。 後ろから、ついて来る少女に見えてしまうのが恥ずかしいようだ。 だが少女は女の子に声をかけない。 「気になるなら聞けばいいのに」 と、業を煮やしたのは女の子の方だった。 振り向いたその顔は、ふくれていた。
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