6月6日 ~うつつ~

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6月6日 ~うつつ~

目が覚めた。どうやら僕はこちらの世界でも叫び声をあげていたらしい。僕はその声で目が覚めた。目覚まし時計みたいだな、と僕は思う。あ、でも、決まった時間に起きられないからダメか。 それから僕はちょっと焦る。このアパートだ。身もふたもないことを言うと、防音性は極めて悪い。ここの壁は段ボールか何かなのではなかろうか。僕は今の声がほかの部屋の迷惑になっていないかを心配する。しかし、その心配はすぐに別の感情にとってかわられることになる。 「またか」先ほどの夢についてだ。 僕はあの夢を小学生のとき何度も見た。たしか小学一年生の時、親の都合で引っ越してから、やたらとみる夢だったのだ。起きた時は例外なく、自分の中の何か大事なものを失ってしまったような気持ちになったのをおぼえている。しかしなぜ今になって――僕は今、大学2年生だ。
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