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「どうだった?オーストラリア」
白蓮をどうにか落ち着かせて、蒼汰と玄樹はイスに座る。
テーブルの上に用意してあった物を使って、白蓮が手早くコーヒーを入れてくれた。
「ありがと、白」
コーヒーを受け取った蒼汰が、そのカップに口を付ける。
「あーーー!うまいっ!やっぱコーヒーは白の入れてくれたのが美味しいな」
嬉しそうな顔で自分の分のカップを持って、白蓮もイスに座った。
「っていうか、はくも日本で見てたんだろ?予選の様子」
玄樹がカップに息を吹きかけながら上目で白蓮を見る。
「見てた見てた!いやぁ、どの会場も面白かったねぇ」
にんまりと笑いながら、コーヒーをすする白蓮はなんとも悪い顔をしている。
「そういえば御前崎が白に伝えて欲しいって言ってた。トリックがどうとか、怖くないとか何とか」
伝えて欲しいと言った事の半分も伝えられていないようだが、それでも白蓮には十分だったようだ。
「いや、あいつはホントに面白かった!蒼ちゃんと玄ちゃんの最後のマリンちゃんとの戦いも良かったけどね!」
「あぁ……マリンちゃんね……」
その時の事を思い出し、蒼汰も玄樹も顔を引き攣らせた。
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