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大爆笑する白蓮に、蒼汰と玄樹は顔を見合わせる。
「……俺らオーストラリアで良かったぁ」
白蓮の性格を十分に理解しているからこそ、その過酷さは見なくても分かる。
「アメリカ予選は?」
不自然に固まった笑顔で、蒼汰が白蓮に尋ねる。
「アメリカは予選の中で一番優しかったよ。クイズの答えを、スカイダイビングしながら見える景色の中から見つけるってヤツ!決勝に来た子達、10回くらい飛んだんじゃないかな!」
白蓮も笑顔のまま、テンション高く答えた。
「……んで……イタリアは……」
「でもね!アメリカ予選を勝ち抜いたペアの一人は、何回飛んでもすっごい楽しそうなの!俺高所恐怖症だからさー、もう映像見るだけで怖くて怖くて」
蒼汰の言葉が聞こえなかったのか、白蓮は話を続ける。
「あー……まぁ、白は無理だろうな。…………で、イタリア予選は……」
「しかも!何回飛んでも毎回感動しちゃっててさー。いやー、本当にあの子はいい子だなって思ったね」
何度も頷きながら話す白蓮が一旦静かになった所で、蒼汰がまた口を開く。
「それで……イタリア……」
「やーっぱりアメリカのあの風景は格別だよね!」
蒼汰が口を開くタイミングで、白蓮もまた口を開く。
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