4.学ぶ!羽曳野 柚李 ー後編ー

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「俺らもアメリカ何回も行ってるけどさー……」 「いや!だから!アメリカ予選の話はもういいんだって!」 わざとらしく話を続けようとする白蓮に、痺れを切らした蒼汰が声を荒らげる。 蒼汰が何を聞きたいのかを分かっているくせに、聞こえないふりをして別の話を続ける白蓮は、やっぱり意地悪だと玄樹は思った。 「えー?そうなの~?まだアメリカ予選のことについて話したかったのになぁ」 またニヤニヤと笑いながら、白蓮は蒼汰を見る。 「それは!後で聞く!それより、イタリア予選を……」 身体を前のめりにした蒼汰が白蓮を急かした時、部屋の外から足音が聞こえた。 蒼汰達と玄樹はそれに気づき、パッと扉の方を見る。 足音は徐々に近づき、部屋の前でピタリと止まった。 白蓮はその足音の正体が分かっているかのように、扉の方はあまり気にしていないようだ。 ドアノブがガチャリと音を立てて回されるのを、蒼汰はゴクリと唾を飲み込み見つめる。 ゆっくりと扉が開かれると、そこに朱音の姿が現れた。 「朱音……」 蒼汰は朱音を見たけれど、朱音は蒼汰を一瞬見た後ふいっと目を逸らした。 「あーちゃん!おかえりー!あれ?一人なの?柚ちゃんはー?一緒じゃないの?」
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