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「オー!タノシカッタデース!ゴハンモ オイシカッタデース!イタリア ハ ジュディー ノ オカーサン ノ フルサト デスカラ」
突然陽気に喋り出した柚李に、千尋もビクッと身体を震わせた。
「…………ジョディーちゃんじゃなくて、ジュディーちゃんだったっけ?」
悪気ない千尋の問いに、柚李はアワアワと言い訳をする。
「ジョディーです!!……ん?ジュディー?ジョ?ジュ?……朱音先輩!どっちでしたっけ!?」
自分でもどっちか分からなくなったようで、柚李は近くにいた朱音を振り返ってこっそりと聞いた。
「ぷぷぷ……どっちだったかな?」
意地悪な朱音が、一人笑いをこらえる。
困り顔を見た玄樹が、助け舟を出してくれた。
「美味しいイタリアンをいっぱい食べたんだよな、ジョニー」
助けたつもりが更なる混乱を招いたことに、玄樹は気づかない。
「千尋!そろそろ決勝始まる時間じゃないか?みんなも、ジョディーも!」
みんなが疑念を深める前に、蒼汰が素早くフォローしてくれて、柚李は無事にジョディーに戻ることができた。
タイミングよく部屋のドアがノックされて、顔を出した男子生徒から準備が出来たことを告げられる。
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