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「さあ!みなさーーーん!!お待たせしましたーーーー!!!只今より、『第一回絢爛学園クイズ選手権』の決勝戦を開催したいと思いまーーーす!」
4月に入学式を行なったあの講堂の舞台で、白蓮は声を張り上げた。
舞台上には観客席から向かって左側、下手といわれる方に司会者の演台がある。
そこにはわざとらしいくらい大きくて、キラキラのラメが入った真っ赤な蝶ネクタイをした白蓮が、マイク片手に満員の観客に向かっていた。
大歓声と拍手が入り乱れる中、白蓮は舞台の中央にある四つのクイズ解答席を手で示した。
「さて、今からこちらに予選の激闘を勝ち抜いた四組が入場します!皆さま、大きな拍手でお迎えください!!」
スピーカーから勇壮な音楽と共に、白蓮の声が聞こえる。
「まずはイタリア予選を勝ち抜いたこのペア!」
光が落とされた薄暗い中で、スポットライトが二人の姿を眩しく照らし出す。
上手から両手をズボンのポケットに入れてふてぶてしく歩く朱音と、その後ろからおどおどしながら歩く柚李が現れた。
朱音の姿を見た観客席からは、女子生徒の黄色い声に混じって男子生徒の野太い声も上がっている。
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