イベ部！羽曳野 柚李

1.告る！羽曳野 柚李

鞠乃の言葉がまるで違う言語を話しているかのように理解できない。

だいたい鞠乃はいつもそうだ。

親友だからって、柚李のことを褒めてくれるのは嬉しいのだが、そこまで言われればいくらなんでも嘘っぽくて聞いていられない。

「信じられない」

鞠乃はとても可愛い。

某アイドルグループにいそうな、クリクリとした丸い垂れ目に、ほどよい天然パーマのふわふわとした長い髪の毛。

そんなザ・女の子の可愛い鞠乃に言われても、絶対に信じられない。

だが、実は本当に羽曳野　柚李という少女は超絶に美人なのである。

長い手足とスラリとしたスタイルに大きな目、すっと通った鼻筋とふっくらとした唇。

艶やかな髪の毛は決して絡まることはなく、まっすぐに伸びている。

子供の頃から、町を歩けばスカウトマンから声をかけられそうになるし、隙があれば数多くの男達が告白のチャンスを狙っている。

女性や子供、高齢者でさえも、思わず見とれてしまうほどに気品高く、まるで蝶を寄せ付ける甘い花の蜜のようである。

では、なぜ柚李がこれほどまでに鞠乃の言葉を信じようとしないのか。

それは、柚李の"極度"なほどの自信のなさと、人間不信によるものである。