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「さあ、何か趣味を持って、遊べばいいだろうに、何か、そういうのは、ないのかね?」
「事件の無い間は、新聞を読んだりして、のんびりとしていましたが」
「それで、気晴らしになったのか」
「いえ・・」
「だろうな、わかるよ。わしも、暇つぶしと気晴らしの違いは分かる。お前さんに必要なのは、気晴らしなんだ」
「しかし・・いったい、何をしたらいいのか、わからんのですが」
「それこそ、探すがいいさ。遊び上手そうな友達を探して、いろいろ、探してみたまえ」
「はあ・・」
「で、まあ、気晴らしになるかどうかはわからんが・・」
「なんでしょうか」
「この近くの中華街の店を借りて、おまえさんの慰労会をやろうって話になってな、今、ここの連中の連中がいろいろ下準備をしているのさ、どうだ、顔を出さんか」
「え、まあ・・それは・・大事件じゃないのですか?」
「おまえさんが、あのエイスマンが久しぶりに日本に顔を出すのだ。これは大事件というものじゃないか?」
「ひとつ、聞いてもいいですか」
「なんだろう」
「サチコさんは、幸せにやっていますか」
「それは、本人に聞くといい。そろそろ時間じゃないかな。準備ができたら、人を送ってくれるはずなのだ。その役目、わしの秘書官の女性が勤めることになっている」
「え、まさか、それは・・・」
こつ、こつ、こつ・・・
そのときだった、
わたしのエイスマンの耳に、
階段を上がってくる、
まず間違いない、
聞き覚えのある女性の足音が、
聞こえてきた。
きっと、この部屋を目指しているに違いない。
さあ、このあと、わたしはどのような行動をとるべきか・・
まるで、天空から月が落ちてくるのを見上げるかのような緊張の中で、わたしは
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