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「何言うの、ママ!」
でも晄明は素直に頷いている。その意外な反応に、柚希がムキになる。
「そんなこと・・・ないわよ!」
すると、柚希の母親は晄明に
「またね。コウくん。」
と声をかけると知らん顔で歩き出した。柚希は慌てて、その後ろを追う。晄明は笑いながら手を上げた。
「じゃ、また学校で」
「またね、コウ」
去っていく後ろ姿を見ながら、晄明はある考えを巡らせていた。そして整理がついたのが、振り向いて本堂に入る。父親は片付けをしていた。
「親父、ちょっと聞きたいことがある」
「何だ?珍しいな」
晄明の父である住職は、その手を止めて床に座りこんだ息子の前に歩み寄る。
「動物霊の話、聞かせて」
唐突な言葉ではあったのだが、父親は納得したように頷いて晄明の前に座った。
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