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布団にすっぽり包まると、特官のことを考えた。
(まだ、黄金の鍵を探していると決まったわけじゃない……。私が持っていることも気づいていないはず……)
5000ギンもの大金を隠し持つことは難しそうだし、売ると足がつく。
当分売らないで隠し持っておいたほうがよさそうだ。
(そもそも、盗んだ墓は王家の墓じゃなかったのに……)
埋葬されていたのは、豪族だった。
そこに、王家の鍵が入っていた理由をいろいろと考えてみる。
(王家から賜った褒賞品かなにかで、あの世に持って行きたいと故人が希望して遺族が棺に入れたのかも……)
それなら、まだ何とかなりそうな気がする。
そう考えたら、少しだけ安心できて寝入った。
深夜に、荷物をあさる物音に気づいて目を覚ました。
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