1.墓泥棒の娘

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 もう少しすれば、ナローマが大きくなって手伝えるだろう。  2年後にハギが嫁げば、ナローマがハギの役目を言い渡されることになる。  この家の息子として生まれたからには、墓泥棒になるのだ。  それが、この家に生まれた運命だ。  でも、自分はこのまま素直にオリの嫁になりたくない。  盗人萩のように、砂漠の風に吹かれて生きたい。  ハギは、いつのまにか泣いていた。  流れる涙を袖で拭き取った。  翌日、自分の短剣がないことについに気づいたフーシが、やんちゃでイタズラ盛りのナローマを疑った。 「どこで失くした!」 「知らないよう! 僕じゃない!」  大泣きで否定するナローマが気の毒だったが、自分が犯人だと言い出すことはできない。  息子にはフーシでもそんなに責め立てないはず。 (ごめん……)  ハギは、心の中でナローマに手を合わせ、表の顔は知らぬふりを通した。
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