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「これでお前と俺の一騎打ちとなった。しかし、お前は負ける。何度も勝負してきてわかっているだろう。一度でも、俺を追いつめたことがあったか?」
「今までは、お前が姑息な手段を使ってきたからだ。もう、思い通りにさせない」
「面白い!」
彫刻の裏から、少しだけ銃口が見えている。
「そこだな」
バイガルドは、連射しながら走って回り込んだ。
――バババババ!
耳をつんざく連射音が数分続く。
デスモディウムの小銃が、弾が当たった衝撃で吹っ飛び床に転がる。
「これで蜂の巣だ」
撃つのを止めて裏を見たが、デスモディウムの死体はどこにもない。
「撃ちすぎて、見えなくなるほど細かい肉片となったか?」
そんなことを考えていると、デスモディウムに後ろから体当たりされて吹っ飛んだ。
「生きていたか!」
バイガルドは、体制を整えるとデスモディウムに銃口を向けて引き金を引いた。
カチ、カチ。
弾が出ない。
「あれだけ連射すれば、弾も尽きるだろ」
「それが狙いか」
バイガルドは、小銃を捨てて長剣を鞘から引き抜くが、その前に、デスモディウムのパンチがバイガルドの顔に一発。再び倒される。
デスモディウムは、追攻撃でパンチを2、3発と繰り出し、倒れたバイガルドを殴り続けた。
いずれもクリティカルヒット。
動けなくなったバイガルドの襟首を掴む。
「バイガルド……。お前にも、マシトにも、この国を治めるのは無理だ……」
「ハアハア……、うるさい……」
バイガルドは渾身の力で立ち上がると、デスモディウムを突き放した。
「お前はここで死ね!」
長剣を振り構えた。
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