9.終結

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「ウー、ウウウ……」 「ハギ……」  デスモディウムは、嗚咽するハギの肩に手を乗せた。 「バイガルドを撃て」 「え……」 「大切な父親を殺され、さらに尊厳を踏みにじられた。君には正当な理由がある」 「でも……」  二人が話している隙に、バイガルドが拳銃を取り出し二人に向けた。 「危ない!」  気づいたハギが、思わず引き金を引く。 ――バン!  ハギの弾がバイガルドを撃ち抜いた。  バイガルドは撃ち返すことなく床に倒れ、大量の血を流して息絶えた。  バイガルドを倒しても、なお悲しむハギをデスモディウムは抱きしめる。 「ハギ、よくやった。君はフーシの仇を取ったんだ」 「デスモディウム……、私……、私……」  達成感なんてない。ただ、ただ、悲しくて涙が止まらない。  デスモディウムが慰めていると、コルトがやってきた。 「おっと、お取込み中だったか」  二人を見て躊躇っている。  デスモディウムはハギから離れて特官の顔になった。 「コルト少尉。報告か」  コルトは、デスモディウムに敬礼した。 「デスモディウム中佐、報告です。フォレストをすべて拘束しました」 「よくやった!」  コルトは、バイガルドの死体を見た。 「こいつが、フォレストのボスですか」 「そうだ。マシトとともに、フォレストを牛耳っていた黒幕。マシトの身柄はどうした?」 「城内にいたところを、確保しています」 「わかった。面会しよう」  忙しいデスモディウムは、急いで出て行った。
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