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コルトは、ハギに謝った。
「いいところを邪魔して悪かったな」
「ううん。いいところなんかじゃないよ……」
「元気ないがどうした」
「デスモディウムに隠していたことを全部知られてしまった。多分、これで終わりだと思う」
「あんなにアツアツだったのに?」
「あれは、デスモディウムの最後の優しさなの」
「そうか。別れたなら、抱いてやれるぞ。どうする?」
「つまんない冗談! からかわないでよ!」
「つまんないか、そうか。ハハハ」
コルトは笑った。
「ねえ、コルトは、もしかして、私のことを知っていた?」
「さあてね。デスモディウム中佐にでも聞いてみれば?」
コルトはハッキリと答えず、出て行った。
言葉を濁したということは、デスモディウムに頼まれていたということだ。
「デスモディウム……」
デスモディウムは、ずっと知らないところで自分を助けてくれていた。
その事に気づいたハギは、長い悪夢からようやく抜け出せた気がした。
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