2.特官デスモディウム

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 二人の関係を進めようとしているオリに、ハギは思わず緊張する。 「ハギはまだ16だから、早いかな……」  フーシの歯切れが悪い。  幸いにも、あまり乗り気でないようだ。 「どうする? ハギ」  そのまま、ハギに聞いてきた。  ハギの意思を確認するなんて明日は嵐じゃないかと吃驚したが、きっとこれは自分が悪者にならないようにしているのだ。  つまり、ここは断れってことだとハギは判断した。 「オリ……。ごめんなさい……」  しおらしく断った。 「そうか。まだ早かったな」  残念がりながらも、おとなしく引き下がってくれたのでホッとした。  皆で帰るオリを見送った。  オリの後ろ姿を、エンモが名残惜しそうに見送っている。 「はあー、終わった」  ハギは、全身の凝りをほぐしつつ、さっさと奥に引っ込んだ。  皿を片付けていると、エンモが戻ってきて目の前で深いため息をついた。 「ハアー」  わざとらしくて付き合っていられない。 「ハアー」  しつこいなあとイライラしていると、エンモが急に叫んだ。 「いいことを思いついた!」  エンモの思いつきは、いつだってトラブルの元になるだけ。  ハギは、嫌な予感がした。 「私が第一夫人で、ハギが第二夫人になればいいのよ!」 「は? どういうこと?」 「いいアイデア。フーシに言ってみよう」  エンモの中ではすっかり決定しているようだが、ハギに意義あり。 「ちょっと、待って!」  ハギは婚姻の順番なんてどうでもいいが、それは赤の他人の場合。  エンモとなると、話は別だ。
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