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「どうしてエンモが第一で、私が第二なの?」
エンモは、バカにしたように言った。
「当たり前でしょ! 私の生みの母は第一夫人。あんたのところは第三夫人。年齢だって私の方が上なんだから、私が第一夫人よ! あんた、第一夫人の座に座ろうなんて、図々しいわね!」
序列の強調はエンモの得意技。そうやって、いつもハギを抑えつける。
人の神経を逆撫でするように、厭味ったらしく言うところもハギは大嫌いだ。
ハギだって、負けてはいない。
「そっちが後から割り込んだのに、優先を主張するなんて、図々しいのはそっち! その前に、姉妹で同じ夫だってのが嫌よ!」
それだったら自分が辞退する。
それほど、ハギにとってはありえない。
「へへーンだ! フーシ!」
エンモはハギの抗議など一切取り合わず、考えもなしにフーシに「私をオリの第一夫人にして」と、言ったものだから、「バカか! いつまで娘気分だ!」と、どやされた。
落ち込むエンモを見て、少しスッキリした。
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