2.特官デスモディウム

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◇  ハギは、生みの母である第三夫人の買い物に付き合って、町のショッピングモールまで出掛けた。  久しぶりの母との外出は、楽しくてとても気晴らしになる。  フードコートで食事をとりながら雑談した。 「オリとはうまくやっていけそう?」  母親らしく、娘の嫁ぎ後を案じている。 「よく、わかんない」  実際に、オリの本当の人柄など、今の状況でわかりようがない。  冷たいのか、優しいのか、さっぱりしているのか、しつこいのか、乱暴なのか、女々しいのか。  何も、わからない。  オリがいい人だったとしても、舅や姑からどのように扱われるかもわからない。 「可愛がられる嫁になるのよ」  本当は結婚したくないのだから、どうすれば可愛がられる嫁になるかなんて、考えたこともない。  結婚したくないなどと言ったら、母も心配するだろう。だから、決して口にしない。  それより、今、考えていることは、黄金の鍵のこと。  それをどうするか。  もし5000ギンが手に入ったら、外国へ逃げるのもいいかもしれない。  しかし、それは目の前の母との別れでもある。
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