2.特官デスモディウム

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 ハギは想像した。 (フーシが、騙したなと、彼を怒る?)  なんの特権もないフーシが、特官相手に何ができるというのだろう。 (商談がなくなる?)  もとより、商談のつもりでここに来てはいないだろう。  目的は、黄金の鍵を探すことだ。  もし、正体をフーシに知られたら、正直に言うのかもしれない。 『ハギのいうように、私は特官で、ここには調べに来た。おたくのハギが黄金の鍵を持っているようなので、調べさせろ』  何も知らないフーシは、こう答える。 『黄金の鍵だって? はて? 何の事かな?』  いや、特官の言葉を疑った時点でしょっ引かれるから、思っても言わないだろう。  おそらく、特官に味方してハギを問い詰めるはずだ。 『お前、俺の目をごまかしてそんなものを隠していたのか!』  まず、間違いなく怒られる。  それだけならまだいいが、黄金の鍵を取り上げられて特官にしょっ引かれる。  そして、拷問……。 (そんなの、イヤ!)  どう考えても、ピンチになるのは特官ではなくて自分じゃないか。  ここで正体をばらしたところで、いいことなんてない。  ハギは、一切何も言わないことに決めた。
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