2.特官デスモディウム

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「………………」  デスモディウムは、ハギの青ざめた顔を見ていた。  ハギの小刻みに動く目と乾いた唇も見逃さない。 (見ている……)  ハギは、デスモディウムが自分を見ていることに気づいて戦慄した。  フーシは、暢気にお茶を飲んでいて、ハギのこともデスモディウムのことも見ていない。  同じ空間にいるのに、ハギとデスモディウムとはまるで違う世界にいるようだ。 「お茶をいただこう」  デスモディウムはお茶を一口含んだが、それは振りだけで実際には飲んでいない。 (飲まないんだ……。毒入りを警戒して?)  彼らが相手にする奴らは、毒を盛るなど当たり前なのだろう。  その用心深さにも戦慄させられる。  デスモディウムは、フーシに話しかけた。 「こちらではとても珍しい品を扱っていると聞き及び、不躾ながらも押しかけてしまいましたが、快く商談に応じていただけてとても感謝しています」 「こちらこそ、外国の話も聞けて、いい取引ができるなら大歓迎ですよ」  ハッハッハと、フーシは高笑いしている。  ハギは、奥に引っ込んだ。
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