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(よくもまあ、ペラペラと言葉が出てくるものね。さすが、特官。身分の偽称などお手の物なんだわ)
二人で当たり障りのない一般の話題をひとしきりしたのち、小さな壺をお近づきの印だと置いて、デスモディウムは帰っていった。
その壺を、フーシが感心しながら眺めた。
「この辺りでは、見たことのない壺だなあ。高く売れそうだ」
ハギは、フーシに確認した。
「あの人が本当に旅の商人だと確認したの?」
「当たり前だろ」
フーシは、自信満々に答えた。
「何年、ここで商売をしていると思っている。身元の確認は基本中の基本、彼は王様の印の入った許可証持ちだ。偽造ではない。正真正銘の本物。私の目は誤魔化されないぞ」
ハギは、フーシの熱さとは逆に、聞けば聞くほど冷めていく。
(そりゃそうでしょう。特官は王様直属なんだから、王宮発効の証明書を手に入れるなんて、全然難しくないんだから。というか、それって、もう本物じゃない!)
簡単に、本物が手に入る特官のご身分が羨ましい。
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