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「ワアーーー!」
外から騒がしい声が聞こえてきた。
弟妹たちが元気よく帰ってきて、家に入ってきた途端、床や椅子の上でドタンバタンと跳ねて飛んで、埃が立ち、賑やかになる。
「ただいまー」
エンモと第四夫人が一緒に入ってきた。
エンモ一人では子どもたちを見きれないので、第四夫人も駆り出されたのだろうが、第四夫人の子どもも混ざっている。ナローマは、第四夫人の子だ。
第四夫人は、ハギを見て言った。
「あら、ハギ。お母さんには会ったの?」
「ええ。もう家に帰ったわ」
「ハギ! 見て、見て!」
ナローマは、完全に興奮状態にあった。
手に短剣を持っていたので、驚いた。
「それ、どうしたの?」
「買ってもらったんだぞ!」
ヘヘンと、ハギに見せびらかしてきた。
「誰に買ってもらったの?」
驚いていると、フーシに言われた。
「私が買ったんだ。そろそろ、自分の短剣が欲しくなったんだろうと思ってな」
ナローマが短剣を持ち出して失くしたと思っているフーシが甘やかした。
(まったく、息子には甘いんだから!)
「いいだろう。僕のだからな! 絶対に盗むなよ!」
短剣を持ち出したのがハギだと感づいているのか、念を押してきた。
自分は一生買ってもらえない短剣。
羨ましくて睨みつけていたら、「お前には嫁入り道具を持たせてやるから、そんな目で見るな」と、フーシに言われた。
たまに、こうして父親らしい顔を見せるから、フーシを完全に憎みきれない。
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