#01.君を守るため

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  『…………レティシア……ッ!!』  伯父の書斎に駆け付けたときには、彼女はテオドールのそばにいた。  彼の腕の中には、あの愛らしかったレティシアはもういない。  あの艶々としたブロンドはどこにいったのか、今日もまたナイトドレスのまま。  床には伯父の護身用のピストルが転がっており、彼女の白いナイトドレスは真っ赤に染まっていた。 『……テオ、どうしよう』  正気に戻ったのか、震える彼女はやはりテオドールを選ぶんだ。  そう、彼の腕の中で、テオドールの名を口にする彼女に苛立ちを覚えながら、俺はただただ呆然と立ち尽くすしかなかった。    君たちが決して結ばれない運命にあるとしても、君はやはりテオドールを選ぶんだね。  君に嫌われてでも、テオドールから奪っていれば、こんな最悪な結末にはならなかったのかもしれない。  俺が悪いんだ。  そう、なにもかも俺が。 ***
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