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「……先生は、魂とか運命とか気にしないの?」
「どうでしょう?」
「質問にはちゃんと返してよ!」
「……さっきも言った通り、私は貴方のような子供にどうこうしようとする気はありません。それだけです」
「じ、じゃあ……もしも、俺が先生を振り向かせることが出来たら?」
それを聞いた先生は鼻で笑った。
「ええ、その時は是非、パートナーになってもらいましょうか」
「や、約束だからね! 大人なんだから約束はちゃんと守ってよ!?」
「はいはい。分かりましたから教室に戻りなさい。それだけ元気があれば大丈夫でしょう」
先生は俺のことを一度も見ずに言った。
俺は勢いよく保健室の扉を開けて外に出た。どん、と音が響くように乱暴にそれを閉める。
なんだって言うんだ!?
あんなに偉そうに……!
「待ってなよ。絶対夢中にさせてやる……!」
やっと見つけた運命は最悪だった。
けど、このまま負けてはいられない。いつか必ず、今日のことを後悔させてやるんだから……!
俺は強く決意し、教室へと足を進めた。
もう式が終わったのだろう。廊下にはざわざわと生徒の声が響いていた。
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