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ーー目が覚める。
眠る前に見た光景と、同じだ。
白の漆喰塗りの天井。デザイン性の為に敢えて露出させた銀色の配管。
今話題の、リノベーション物件。
面白そうだからと借りてみたが、結構気に入っている。
そこが私、黒崎 奏の部屋だ。
目覚まし時計は鳴っていないが、カーテンから射し込む光は明るい。
本来起きるべき時刻は、とうに過ぎているなと、嫌な予感を抱く。
まだ完全に覚醒し切っていない頭を左に向けると、一向に起きない持ち主に呆れ、役目を放棄したらしい目覚まし時計を見た。
眼鏡をしていないので、よく見えない。
起きたばかりなので、手も体も動かない。
「ねむい…」
まずい。二度寝しそうだ。
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