3人が本棚に入れています
本棚に追加
一体何処に隠し持っていたのか。
楽しそうにパシャパシャと写真を撮るウォーターに、呆れ顔を浮かべるストーム。
俺の手を引いて、グレイが引いた椅子に座らせるまでの一連の動作まで隈無く撮影している。
「そう言えば、ウォームが紅茶を入れるとこ見たこと無いなぁ」
「それは振りかな?」
無論ネタを求めて言ったつもり無い。
俺は、匙に乗った山盛りの茶葉を見るウォームに真顔で突っ込みを入れてやる。
「止めて、貴重なモノなのに」
「冗談だよ」
「それより今回のお茶会には、ラーリングが来るで」
「ホントに?!」
まともな匙加減で紅茶を入れ始めたウォームの横から、満面の笑顔で朗報を伝えるストーム。
スフォームの都合で難しいんじゃないかと思ってただけに、俺は目を輝かせて言った。
「ストーム様、本人が来るまで黙っとくんじゃなかったんですか?」
「おっと、忘れちょったわ。せやけど、さすがに仮装して来る時間はあらへんやろ? フレムの姿を見たラーリングの反応が楽しみやわ。カインドは逆に悔しがるやろうけどな」
「どうして?」
グレイの突っ込みを笑って流したストームが、俺の仮装姿を両手で枠組みをしながら言ったので尋ねて見た。
カインドが女装好きとは聞いたことがないし、個人的に悔しがる要素が分からない。
一方、俺に紅茶を入れてくれたウォームには心当たりがあるようだ。
ストームに変わって俺の疑問に答えてくれる。
「いつもカインドが女装役だったからね。ラーリングをお茶会に出席させるためとは言え、自分以外の女装が見れなかったと知れたら悔しがると思うよ」
「ふふっ♪ 写真はバッチリ撮ったから安心して」
「自慢する気まんまやな」
カメラを持って満面の笑顔を見せるウォーターに、半ば呆れた様子で突っ込みを入れるストーム。
最初のコメントを投稿しよう!