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「因みにラーリングは、ホラー系大丈夫なの?」
「僕は、本物か否か。先にスフォームが暴いちゃうから時と場合かも。でも好き好んで映像を見ることは無いよ」
「そうなんだ」
それを聞いてちょっぴり安堵したのは、男だからと言って怖がりを非難されなかったるからだろう。
続いて季節イベント皆無な地元育ちに話を振る。
「グレイは?」
「自分も好き好んで何かしら見ることはないけど、見せられたからって反応薄いから、驚かしがいが無いとは言われるかな」
「じゃあそれなりに耐性はあるんだ」
「てか、フレムは何がダメなの? 魔法でやっつけられるなら、怖いもん無しだと思ったけど」
「え?」
まぁ確かに俺は、魔法が使えるようになって度胸が付いたとは思うけど……。
グレイの質問に対して、真面目に考えた結論がどうしようもなかった。
「何て言うか、生理的に受け付けないんだよ。作りもんだ、って言われてもちょっとねぇ。何かトラウマでもあんのか? ってぐらい、条件反射で手を出しちゃう事もあるから……。一概に言えないな」
「それじゃあ不意討ちでフレムを驚かす前に、攻撃を避ける訓練なり準備なりしないとだね」
「そんな、仮装した生身の人間をフルボッコした記憶なんてないよ。幼い頃にポカスカしたぐらいで」
「ほんとにぃ?」
「ラーリングまで疑うなって」
「だって鳳炎さんと一緒に、ウォームまで怖がってるもんから。過去に何かあったんじゃないかとしか思えなくて」
ーーどんだけだよ。
ラーリングにそう言われて、ケーキを口にしようとしていた俺は青ざめる1人と項垂れる1頭に視線を送った。
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