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一方、片付けを始めた会場ではーー
安堵の表情でテーブルの下に隠していたものを引っ張り出していた。
「フレムに見つからなくて良かったね」
「ラーリングもそう思うんやな」
「生身の人間を殴ったところは見たこと無いけど、裏拳で被ってたマスクをぶっ飛ばしたところは見たことあるからね」
片付けを手伝いながら、不吉な事を言うラーリング。思わず手を止めてしまうストームだが、彼はウォームと違い。ラーリングが言うフレムを知らない。
「何処までマジな話なんや?」
「フレムの側に居れば嫌でも分かるよ。それより、早いとこどっかに隠しといた方がいいよ。多分着替えたら戻ってくるだろうから」
粗方食器を片してきたウォームが、隠してた手荷物を持っていたストームに言った。
「せっかく買ってきたんやけどな」
「試す勇気はございませんでしたか」
ポツリとぼやくストームに、片付けを手伝っていた人型の鳳炎が中身を覗いて言った。
「鳳炎は平気なんやな」
「生きてる存在の方がよっぽど怖いですからね」
「言えてるわ。ウォーム、フレムが来る前に燃やしてくれへんか?」
ストームは、紙袋からゾンビのマスクを取り出すと、手の空いたウォームに頼んだ。
「いいの? 買ったばかりだろうに」
「フラグは残したくないんや」
そう言ってマスクを相手に投げて寄越すと、微笑を溢したウォームは「了解」と答えて受け取ったマスクを跡形もなく燃やし尽くした。
「よっぽどフレムに嫌われたくないのね」
「一度泣かしてしもうたからな」
「そう言うウォーターは、フレムに血のりメイクしなかったんだね」
「トラウマになったら、警戒してお茶会に誘っても断るようになっちゃうでしょ。それに、あれはあれで遣り甲斐があっわ。今度はセイクも呼ぶわね。共感してほしいの!」
「喜んで」
その話を聞いて、余計な事を言ってしまったと苦笑いをするウォーム。今度という事は、イベント的に日が近いクリスマスだろうか?
「御主人には内緒にしときますね」
「有難う、鳳炎くん。助かるわ」
「だけど化粧で、あぁも変わるもんなんだね。スフォームのお陰で正体は分かったけど、魔法じゃないのは驚いたよ」
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