第2話 古谷 瞬の尻尾切り

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 性器、肛門、それから鼻や耳の穴まで犯され、古谷に玩具にされた。穴を犯した後は暇つぶしに鉛筆、ハサミ、コンパス、煙草……その場にあるものを何でも穴にねじ込まれ、唯は押し寄せる痛みに悶えた。そして、それを見て古谷はゲラゲラと笑っていた。 「だから、あの時の私の痛みを知って……家族になってほしいな? 古谷パパ」  結衣は笑みを浮かべ、古谷の眼球に持っていたナイフを容赦なく刺し込んだ。  ……翌日、ニュースで物騒な事件が報道されていた。 『昨日未明、都内のアパートで男性が血だらけで倒れているのを同居中の女性が発見されました。男性は眼孔、鼻、耳、肛門など全身の穴や粘膜に鉛筆やハサミ、コンパスなどの文房具や釘、針、包丁など合計約100本が無造作に刺し込まれた状態で発見されましたが、一命は取り留めたようです』 『随分と残虐で不可解な事件ですが、最も不可解なのが男性の【精巣】が腹を裂かれて摘出されていたという部分です。怨恨の可能性が高いのでしょうか?』  報道番組の無能なコメンテーターが、的外れな解説を得意げにしている。  怨恨なんかじゃない。ただ、私は彼らに他人の痛みを知ってもらうことで蘭に見合う、素敵なパパになってほしいだけなんだ。
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