第1話 蜥蜴の尻尾切り

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第1話 蜥蜴の尻尾切り

 中学3年の夏、私、藤倉 唯は酷い虐めを受けていた。  元々、人付き合いも得意ではなく、話し相手は飼っているハムスターと猫だけ。それに加えて暗い性格がいじめの標的にぴったりだったんだろう。最初はからかい程度だったモノが、徐々にエスカレートしてもはや犯罪に近いような嫌がらせも日常茶飯事だった。  表には出さなかったけれど、辛かった。私は普通に友達を作って、普通に学生生活が遅れればよかったのに、人と少し違うだけで、どうしてこんな苦しまなければなかったんだろう。  男子からは暴力的ないじめ、女子からは陰湿ないじめ。私は全ての他人から攻撃の対象にされていたのだ。  そしてある日、私は自殺を決意した。辛いだけの人生なんて送るだけ無駄だと思ったから。最後くらい学校で派手に自殺して、みんなを困らせてやろう。そう思って私は校舎の屋上から飛び降り自殺してやろうと、放課後に屋上へ向かった。 「……下から見るより、随分と高いな。けど、ここから落ちればきっと死ぬだろうな。けど、痛いかな……痛いのは、嫌だな」     
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