第3話 村井 啓太の尻尾切り

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第3話 村井 啓太の尻尾切り

 村井 啓太は親のすねをかじる所謂ニートだった。  高校を中退してから、彼は働くことなく現在までこの生活を続けてきた。  家に籠り、ゲームやアニメ三昧。加えて唯一の趣味と言えば性欲処理のためのデリバリーヘルス。  月に1度、両親ともに朝から外出する日を見計らって村井はデリバリーヘルスを呼び、楽しむのだ。  今日のような大雨でも、呼べば自宅に来てくれるデリバリーヘルスは村井のお気に入りだった。 「ひひ……今日は親も誰もいないからな、久しぶりにデリでも呼んで楽しもう」  村井は気持ちの悪い鼻歌を歌いながら、デリバリーヘルスの予約を行う。  店からここまであと30分ほど、録画したアニメでも見ながら時間を潰そうとした時だった、唐突にインターフォンが鳴り響いた。  村井は不審に思いながらも玄関へ向かう。まだ午前中なので両親だということはない。 「なんだ、随分と早いな……君がアイコちゃん?」  扉を開けると、そこには若いが豊満な肉体の女性が立ち尽くしていた。  そして、外は大雨だというのに傘も持たず、ずぶ濡れの状態で、その女は立ち尽くしていた。 「はい、ご連絡頂いたアイコです。本日はよろしくお願い致します」     
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