第二の性

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不安に感じてから2週間が過ぎた。俺の中でもある程度は整理できてきた。 そろそろ蒼にも聞いてもらってもいいかもしれない。 「あお、今日あおの部屋に寄ってもいいか?」「もちろんだよ、いち。」 満面の笑みで返してくれる蒼…かわいいがすぎる。 俺も蒼も部活に入っていないので、蒼をクラスまで迎えに行ってから下校。これがいつもの俺たちの放課後。 いつもは蒼を家まで送り届けてたら俺の一日は終わりだけど、今日は大事な話をしなければならない。 まだ蒼に言う覚悟ができていなかったので、蒼の家までの道のりの間に覚悟を決めていると、あっという間に蒼の家に到着した。 蒼のお母さんに挨拶し、蒼と二人で部屋に入る。 いつもの定位置にそれぞれ座ると、単刀直入に切り出した。 「あお、最近体調とか感覚とか、うまく言えないんだけど、そういうのおかしくないか?」 いきなり言われて蒼も呆気に取られていた。 「突然どうしたの?」 「俺たちβって判定出たけど、最近の俺たちの様子って、βの特性じゃないような気がするんだ」 「ん、そうだね。確かに何か変だなぁとかうまくいかないなぁって思うこと増えたね」 「だから、再判定してもらわないか?これでまたβ判定ならそれでいいし、あの時の判定が誤判定だったら怖いだろ?」 「うん。でも個人で判定するのって結構お金高いんじゃない?」 「バイトする」 「僕も一緒にいちとバイトする」 「本当か?あおのご両親を説得するの難しいかもしれないけど一緒にバイトしてくれるのか?」 「もちろん。いちばかりに負担かけられないしね」 「ありがとう、あお」 蒼も承諾してくれたことで俺たちの方の話はまとまった。 あとは、蒼のご両親の説得だ。蒼の過去のことを考えるとバイトさせてくれるとは思えない。だけど、これはかなり大事なことだから、きっと説得させてみせる。 また週末訪問する旨、聞いてもらいたい話があるのでご両親が揃って家にいてほしい旨を蒼のお母さんに伝え、今日は帰宅した。
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