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1-2 フラグメントシップ
1-2 フラグメントシップ
金属物体というと立方体や直方体を思い浮かべるが、その物体はあらゆるものを自由にツギハギしたような形で、向かって右半分はウニ、左半分は直方体の晶癖を持つ方鉛鉱の群晶に近いが、細かく見ればさらにいろいろなものがくっついている。例えて言えば、作るのに失敗した金平糖のようだ。
俺はコンソールを操作して、考えうるあらゆる手段で呼びかけたが、返ってきたのはラジオノイズのような雑音ばかりであった。
すると突如、ウニの棘が怪しく光り始める。
いかん、慌ててこの艦を局所用亜空間フィールドに放り込む。このフィールド、至ってシンプルな作りで、簡単に言ってしまえば、この四次元連続体の中に異次元の気泡を作り出すものだ。
しばしの静寂が訪れたかに思えたその時、フィールドの境界が溶け始める。
「なんてこった、フィールドを中和できるのか。」
俺の心が叫ぶ。
炸裂する閃光と激しい振動に、俺はシートから床に放り出され、その後の記憶を失った。
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